『切腹考』をよむ

少し前に新聞の書評欄に載っていた伊藤比呂美の『切腹考』文藝春秋社刊。
気になってすぐ買ってありましたが、しばらく寝かせておきました。
今朝から読み始めて、今夜中には読了見込みです。

たしかにおもしろい本ですね。
鴎外選集に親しんでいる私にとってはね。
なかなかこういう剛胆な感じで読んでいく人ハいないと思う。
「近世の死」と「普請中の近代」を一身に受け止めたのが鴎外の文学だと思うのですが
いやぁおもしろかった。とくに中盤あたりまで。

切腹試技とでもいうのでしょうか、そのあたりグロな感じがなんともという批評もあるようですが
たとえばヴォヴァリー夫人の最後のところヒ素をあおって苦しみながら死んでいくエマの描写
なかもなかなかグロですが、あれがあるから読んでしまうという所もあるわけで。
自死、とくに切腹とか服毒というのは惹かれるところがある。

さまざまな生と死をだーっとつないで、さらしていく筆力はすばらしいけど
後半の伴侶の介護やその死、熊本地震のところはある意味タイムリーなのですが
ちょっと息が続かなくなって(当方の読みの問題だとは思いますが)
やはり鴎外とのからみのところだけでよかったかなという気もしますね。
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by seta_shijimi | 2017-07-26 20:11 | Comments(0)