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武田百合子がヤバイ

先週から再読をはじめた武田百合子にはまっています。
去年ちくまの文庫版で読み始め、
その後三冊からなる『富士日記』を読んで
プロの作家とはまたちがう味わいに大いに興味を惹かれたたのですが
今回改めてその魅力の虜になっています。
百合子は武田泰淳の妻で、もともと作家ではありませんが、
正直なところ作家としては筋金入りの泰淳は
私はちっともおもしろくないのですが百合子は圧倒されますね。

今回の再読は、娘で写真家の武田花の写真がはいった『遊覧日記』
作品としては1987年のものですから、ちょうど30年前になりますね。
八十年代というのは、古い日本、少なくとも戦後日本の痕跡が
まだわずかに残っていた。
ま、古い日本人がまだ生きていた時代ですから、
そういう時代背景を前提に読む必要がありますが
その人間観察力にまず脱帽します。

解説の巌谷國士さんがこう言っています。
「なんど読みかえしても、この人はほんとに目がいいんだなあ、
と感嘆してししまう。いわゆる観察力だけではない。なにか
人や物や出来事の根本のところを、裸の姿を、あっさりと見わけ、
見ぬき、見とおしてしまう眼力のようなものが、生来、文章の
うちにそなわっているらしいのだ」と

『遊覧日記』は浅草花屋敷や、上野東照宮、隅田川、上野不忍池・・・
といった東京の下町を
娘花と文字通り「遊覧」し人間観察をつづった遊覧記なのですが
たとえば、私の気に入った上野不忍池では、不忍池に面したビヤガーデン
で、こんな感じです。

 エレベーターの音がして、時代劇に出てきそうな体格のいい老人
(老人だと私は思う)と、透けたブラウスに白いスカート
白いハイヒール、ころころに肥った四十五、六の女が手をつないで現れて、
右隣の20と21に腰をかける。老人は腰掛けると立て続けにくしゃみをして
「あー参った」、老人には思えないつやのある大きな声を出す。
大ジョッキ二つとソーセージと焼きとりを注文した。
「キレイだねえ。こんなの、はじめて見たよ」女は景色をほめる。
白いふくらんだ手で扇子をひらいて、真珠の首飾りをかけた自分の胸元をあおぎ、
老人ののどもあおぎ、大ジョッキがくると気持ちよさそうに笑ってから
くっくと傾ける。
屋上の豆電球にも灯りがついた。ところどころつかない電球は、
蝶ネクタイの男が背伸びして、ひねってまわる。
ハワイ音楽からタンゴ曲にかわる。
 老人は金時計をはめた腕をつき出し、頑張るような格好で
「玉川良一が・・・・」「企画が・・・」と興行界に関する
自慢めいた話をしている。
老人の背中を掻いてやったりしながら女は聞いている。そして合間に
「軽井沢、なんかに行ってみたいわねえ」などと言ったりする

 どうでしょうか。この二人の人物に対する酷薄なまでの観察力。
 その人品、骨柄、生き様を暴き出すだけでなく、
「彼らは、また、私たち自身でもある」と思わせませんか?
 そう、私も、そしてアナタも ですよ。
 こういうのが「遊覧」というタイトルで次々と繰り出されるのだから
たまりません。

 しかし本当に酷薄かというと、決してそうではない。
 それは
「生きている者より死んだ者の方が日々記憶に新しく生きているんです。泰淳さんもそうです」
という言葉にも表れているように感じます。

ほとんど同じような界隈についての作品が多い作家に森まゆみがいます。
これについてはまた明日書くことにします。
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by seta_shijimi | 2016-10-31 20:25 | Comments(0)

ぶばばばぁーーーー!

鮮やかな秋晴れでした。
サイクリングには最高の日和のはずでしたが
早朝から日暮れまで仕事場で過ごすはめに・・・・。
いよいよ大詰めに入り、自宅にまで校正が届き
今日中の処理になりました。
6時前に宅急便センターに放り込んで、
さらにデータをサーバーに上げて・・・。
これで今週なかばには手が離れるところまで追い込みました。

川沿いの職場は日中は日が当たらず、肌寒いくらい。
お昼を採った後、ちょっとそこまで散歩に出ました。
明るい日が注ぐ丘陵の斜面や土手、
私はそういうところを散歩するが好きです。

ごそごそと山裾を歩いていたら、
やや、アケビの蔓が、上を見上げると、やっぱりありました。
紫色に色づいたアケビの実がたわわに実っていましたよ。
アケビを食べたことがありますか?
種ばっかりで、食べるというより口の中にほうばって
口中で種をより分けて、ぶばばばぁーーーーと
機関銃のようにまき散らすのです。

*アケビの蔓を見つけました。
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*下の方はもう痛み始めていますが、上の方はフレッシュそうです。
残念ながら手が届きませんでした。
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by seta_shijimi | 2016-10-30 19:54 | Comments(0)

うそすぐき

自宅を出て、10分ほど走ったところで、時雨れてきました。
うーん。山のほうに行ったら逃げ場がありませんし、
第一、こんな天気で一人で走っていると、
どんどん憂鬱になりそうなので、
あっさり方針転換して、京都へ走ることにしました。
山の方は、秋がもう少し深まったときに、出かけることにします。

さーっと時雨れてきたかと思えば、日が差す。その繰り返しでした。
いつも通り、蹴上の坂を下り入洛。
岡崎から百万遍を経て出町柳へ出ます。
鴨川をさかのぼって下鴨でお茶にして、
さらに上賀茂に上がって焼き餅を買って・・・・と、
あいかわらずのパターンです。
上賀茂神社では 
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20161029000053
なんていうイベントもあったようですが、気がつきませんでした、ざんねん。

ところで、北山通りから北側には、ずいぶん減ったとはいえ、
まだ畑があり特産のすぐきになるカブ、がすくすくと育ってます。
母の里の近くに、すぐき漬けで有名な「なり田」さんがあるので
子どもの頃から親しんでいますが
調味液で味付けした「うそすぐき」(私の命名です)
の味に慣れてしまうと本物の味はたよりないかもしれません。

帰りは百万遍の古本まつりをちょっとのぞき
神楽岡の東側、白川に沿って岡崎に出て帰りました。
みなさん獲物をねらってましたが・・・・。
どうだったでしょうか。私はあまりお店が多いとかえってだめですね。
様子については、お気に入りブログのスムースさんの記事をご覧ください。
今年は「古本女子」は居たのでしょうか?
木曜日まで開催しているようです。

でも、やっぱり京都はいいですねえ。

*鴨川の葵橋西詰にて、ジョギングや散歩を楽しむ人が多いです。
この時は、すばらしく晴れたんですが・・・。
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by seta_shijimi | 2016-10-29 12:58 | Comments(0)

週末自転車主義

今日は旧暦でいえば9月28日
ちょうど一ヶ月違うようです。
夕方から降り出したこの雨が降り止み、
空気が入れ替わったら
季節は一気に晩秋へと入っていくとか、
朝クルマのラジオが話していました。

ここ数年、春と秋がめっきり短くなって、
かわって夏と冬が長くなりましたね。
四季の移ろいを感じられなくなるとしたら、
寂しいですね。

久しぶりにクルマで出勤して、山の空気を吸いました。
田舎ではクルマなしでは暮らせませんし、
利便性は代えがたいものがありますが
こと、楽しみということなら、
自転車の方が何倍も楽しいことに気がつき
ここ5年あまりは、
もっぱら週末サイクリストに改宗してしまいました。

そんな訳で、明日も朝から走ります。
ルーチンワークにならないよう、
ちょっと山道を走るつもりです。

雑木は色づきはじめましたね。
もう採られることもなくなった柿がたわわに実り
人影のない山里を賑やかに彩っています。
この雨が朝には止んでくれていればいいですが・・・。

では、ちょっと早いですが、お休みなさい。










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by seta_shijimi | 2016-10-28 20:26 | Comments(0)

風に吹かれて

いい天気になりましたが、
風か強かったですね。

仕事場まわりの桜が一気に葉を落とし、枝をあらわにしました。

いったい、桜というのは花のころこそ褒めそやされますが
梅雨時になればもううっとおしいほどの茂りとなり
あまつさえ毛虫がついて、あたりを糞だらけにするし
葉を落としてからは、その枝振りはとやかくいうべきものもなし・・・
と、あまり取り柄がない木のように思います。

でもこの時期、わずかの間ですが、錦に色づくのに気づきました。
今朝は、出入り口に、吹き込んだその落ち葉がとても鮮やかで
思わず手にとって陽にかざしてみたことです。

仕事はまずは順調に進み、
夕刻400ページあまりの再校を戻すことが出来ました。
明日最後の100ページあまりを戻すと、ちょっと一息です。
ほっとしました。

帰り道は、武田百合子を再読しはじめました・
三冊からなる『富士日記』も読みましたが、
今回はエッセイというか、短編というか、『遊覧日記』です
まさに天賦の才能という感じですね。
筑摩文庫版の解説は巖谷國士先生。
前回読んだときは、それほどと思いましたが
読み直すと、この解説もおもしろい。

巖谷先生は来月19日、京都寺町二条上がるのギャルリー宮脇で
講演があるので、聞きに行く予定です。
お話を聞くのは、もう5回目。
広島での講演の帰りは、新幹線で京都までご一緒しました。
とても魅力的なお話で、元気がでます。



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by seta_shijimi | 2016-10-27 20:29 | Comments(0)

かんばやしあかつき

月曜から五人がかりでの校正が続いています。
週明け月曜日には一旦手を離れるので、それまでの全力投球です。
空き時間をつかって手作りのポスターも配りました。
ちょっと蒸し暑かった。頭がぽーっとしました。
午後は健康診断。
身長172センチ、体重61.5キロ、血圧上120、下80。
糖も正常。ここまではいつも通り、
気になるところがあるので、血液検査はオプションを追加しました。

無理矢理仕事を仕舞って、
いつもより二本遅い電車に乗るべく仕事場を出たら、
猛烈な雨に見舞われました。
駅に向かう道中、射すくめられるような雨には参りました。
アスファルトに跳ね返る雨粒に街灯の青白い光があたって、
まるでストロボ写真を見るようでした。
乗換駅で折りたたみ傘を車中に忘れるしくじりをしました。
折りたたんでシートの隅にちょこんと置いたので、
そのときすでに「忘れるかも」と思ってたのですが
やはり忘れました。

なんとなくすぐに帰る気分になれず、本屋さんに入りました。
でも新しい本は買いませんでした。

昨日フローベルの『感情教育』二巻を読み終え、
今日から上林暁『聖ヨハネ病院にて』を鞄に入れました。
これは小説?というごつごつ感。地味・・・。
私小説、好きな人は好き、嫌いな人はうけつけないかな。
私はなんとなく松の枝を風が鳴らしているような、そんな文学だと感じました。
ふるさとの高知には文学館もあるらしい。
四国の中では高知は行ったことがありません。
行ってみようかな。

老母のために買ってきたCD。懐かしの愛唱歌。
それに入っている「平城山(ならやま)」に聞き惚れています。






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by seta_shijimi | 2016-10-26 21:28 | Comments(0)

カミングアウト

私の職場は、到来物が多い。
しかもほとんどが甘味で、銘菓といえるものも少なくありません。
先週は名古屋の両口屋のおちこち 旅枕
その前は京都の玉壽軒・・・・。
今日は九州のほうの土産ということで、最中をいただきました。

仕事が終わって、ちょっとほっとしたので
部下(妙齢の女性)と、その最中をほおばりました。
二人が思わず発した言葉「最中大好き」ということで、大笑い。
これが、20代や30代ならそうはいきませんが
お互い、もはや「妙齢」なので、だれはばかることなくカミングアウトするわけ。

最中というと、実際問題、ほとんどあんこなんですね。
要するに、突き詰めるとあんこが好きということですね。
大人の会話ですのう。

最近の和菓子のあんはほとんどあんこ屋さんが納めていると思います。
店ごとのレシピもあるのかもしれませんが
いつも行く神馬堂のあんこもあん屋さんが納めてますね。
くどくない、でも上品すぎないあんこが最中には一番あうと思います。


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by seta_shijimi | 2016-10-25 20:03 | Comments(0)

今日は◎

定時で職場を出ましたが、
今日はしっかり仕事をした充足感が得られました。
時間の経つのも忘れて集中できたのは久しぶりです。
昨年春に発症した前立腺の重い痛みが
なぜか今日はほとんどなかったことも幸いしました。
とくにここ数ヶ月は、半時間続けて座っていることもつらく、
憂鬱になり、いよいよ前立腺がん? 
なんてことも頭をよぎっていましたので。

冷えてきました。暦の上では「霜降(そうこう)」です。
帰りはのぼせた頭を冷やすのにちょうど良い感じでしたが、
6時半、今朝の冷えはまいりました。
ジャケットを羽織ってもちょっと寒いくらい。

駐輪場から駅に向かう線路脇のフェンスに時計草が植えられています。
夏いっぱいその不思議な花を楽しませてくれましたが
さすがにもう終わりと思っていたら、数日前から一輪咲きました。
先週の日中の暑さに夏を思い出したのか。
この冷え込みに咲く姿に、思わずカメラのシャッターを切りました。
今夜はそれをご覧に入れようと思って帰ってきたのですが
あれSDカードが入っていませんでした。

どうやらパッションフルーツはこの種類の花の果実らしいですね。
色気より食い気・・・・。


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by seta_shijimi | 2016-10-24 19:50 | Comments(0)

水のにおいにさそわれて

昨夜は遅くに帰宅し、そのまま寝てしまいました。
たぶん天気もよくないと思って起きだしてみると、
晴れてます。
おやまあ。
朝のうちに仕事や買い物をすませてしまい。
その帰り道に瀬田川の漕艇場をのぞいてみました。

私は、ちょうど写真の対岸あたりの産院で生まれ
琵琶湖の水を「産湯」につかったので
生粋の滋賀県人(ただし母は京都・父は三重のミックスですが)。
どうもこの景色が刷り込まれているように感じます。
水のにおいは、どこでも一緒ではないですからね。
だから同じ滋賀県でも、山に囲まれた、お空の狭いところにいると
ちょっと息が詰まってきます。
外海に面した人からは、なにを盆地人がと笑われるでしょうが。

大学のチームの練習のようです。このあたり、京大、同志社、立命、
龍谷などの艇庫がひしめいていますから。
あ、手前の人物は私ではありません、コーチです。
ほめて、ほめて、伸ばす。
最近のコーチは、こういうタイプが多いですね。

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by seta_shijimi | 2016-10-23 12:58 | Comments(0)

土曜入洛

肌寒い土曜日になりました。
おや、今日は時代祭のようです
京都三大祭りの一つとかいいますが、
見物人はほとんど他所の人でしよう。
高等仮装行列というと語弊がありますが
祭り本来の持つ心を動かすものには欠ける感じがしますね。

下鴨の疎水縁はお気に入りの道ですが。
ちょっと色づいてきたようです。
川上に上がって
神馬堂でやきもちを求めます
帰路は下鴨本通りのいつもの喫茶店で珈琲をいただきました。
今日明日は家で校正作業、

フローベルの『感情教育』は上巻の半ばを過ぎました。
フランス革命下の騎士道的恋慕、と言う感じでしょうか。
ピンと来た女性(たいてい夫のある女性です)に、犠牲的愛を捧げる。
フランスものには多いですね。
まずまずおもしろい。これからどう展開するのか・・・・。

今夜は職場の方で2時間ほど仕事です。

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by seta_shijimi | 2016-10-22 13:45 | Comments(0)