うるおい

今日から車中の読書は、井伏鱒二の『人と人影』講談社文芸文庫。
これは古書なのでわずか300円だが、新本なら900円。
文芸文庫は高いのが玉に瑕だが、その分巻末の「人と作品」や年譜が充実しているので
それ自身を読む楽しみもあって、まあこんなとこかなと思わせる。
一粒で二度おいしい、そんな満足感があるのだ。

井伏鱒二には、小説だけでなく、随筆に味わい深いものが多い。
明るいわけでもなく、暗いのでもない。そんな感じがつーっと続く。
人生はこういうものではないかと確かに思わせる。
随筆ばかり読んでいると、やはり読む力が落ちてくるけれど
たまには、緊張をといて文章に身を任せていくのも楽しい。

夕刻、知らないうちに一雨あったようだが、
仕事場を出るころにはそれも止み、
ほどよい湿気が、暖房で乾いた皮膚に心地よかった。


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by seta_shijimi | 2016-12-20 19:50 | Comments(0)