映画「沈黙」

スコセッシ監督による映画「沈黙」の前評判が高いですね。
もちろん遠藤周作の『沈黙』によります。
予告編をみるとかなり忠実に映像化しているようです。
『沈黙』は遠藤の最高傑作で、彼自身その後の作品はこれを上回るものはないと思います。
いわゆる護教作品ではない。まさにきりきりと追い詰めたすばらしい作品です。

私はかつて十数年あまりキリスト者(ただしプロテスタント)でした。
「宗教」や「信仰」をほとんど社会システムか民俗としてしか受容していない日本人ですから
(それが悪いとは思いません)、キリスト教との出会いは相当主体的な選択とならざるを得ません。
キリスト教的なものには親しんでいても、信仰とは別の話。
日本のキリスト教徒がが人口の一パーセントをどうしても超えられないできたのには
やはり根本的な理由があると思います。
遠藤はカトリックを捨てませんでしたが、『沈黙』では踏み絵を踏ませました。
『沈黙』のなかで注目される人物としてキチジローをあげる人は多いですが
フェレイラを転ばせ、ロドリゴに踏み絵を踏ませた
井上筑後守の評価こそ、むしろ日本人にとって重要なのではないかと、私は思います。

数年前、『沈黙』の舞台長崎を旅しました。遠藤ファンであってもキリスト者である、
あるいはあった者とそうでない者との読みはやはり違うと思います。
教会から離れてしまった私でしたが、
爆心地の浦上教会に通い、朝のミサに預かりました。
外海(そとめ)の海は碧かったですね。

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by seta_shijimi | 2017-01-15 20:06 | Comments(0)